【山行報告】北ア 金木戸川打込谷~笠ヶ岳

ルート:神通川水系 金木戸川 打込谷~笠ヶ岳
日程:'11年8月13日~15日
メンバー:高橋L、浅瀬、玉井、中村

当初は13日~16日の予定で打込谷~笠ヶ岳~双六谷を周遊する予定でしたが、15日まで打込谷だけの遡行となりました。

●8月13日
金木戸川林道
第一ゲートに到着すると、すでに4台の車がおり、準備中の1パーティは小倉谷に行くとのこと。アプローチ6時間の長い林道は、取水堰堤を過ぎると道が荒 れ、頭上に石積みの軌道跡を発見するまで、ひどい藪の中を進んだ。軌道跡は水墨画な滝を見ながらたどり、吊り橋が見えた地点で入渓。ここでまず渡渉。
連日 の好天で水量は少ないようだったが、なにしろ沢初心者の自分にとっては初めての渡渉なのでよろよろ、両脇をスクラムで支えてもらって何とか渡る。
しかしそ の後、大岩をやっとこ乗っ越したところで、なんと大岩上から水流にヘルメットを落下させるヘマを!高橋さんがすぐに拾ってくれたので良かったが、危うく不 名誉な敗退になるところだった。
そんなこんなで、地図ではすぐ傍のはずの打込谷出合までやけに時間がかかってしまい、この日はここで幕営となった。
 
●8月14日
4:50 快晴のなか3人寝坊。高橋さんは湯を沸かして待っていた。
6:35出発する。大きなゴーロ帯を進み、18m滝を右岸から巻く。ゴルジュに入り、右岸岩壁を 高橋リードA0で登る。
このゴルジュ帯から川原に下るとき、 玉井さんが着地の際に右膝をひねってしまう。ここで大休止とする。このときすでに核心である仙ノ淵を超えたと思っていたのだが、進むうちにこれまでと明ら かに異なる迫力を持つ滝が現れ、それが間違いだったことに気づく。その仙ノ淵は、記録では「左岸を斜上するバンドから超えた」とあるが、今回は右岸の巻き 道(所々崩壊)を念のためアンザイレンして進む。上から落ち口を覗くと、「簡単に降りられる」という岩床はかなり傾いておりホールドも見当たら ず、恐ろしかった。
そうして滝の迫力に押されてばかりいたが、進んでいくうち、やっと自分でも登って超えられるナメ滝が出てきて、少しほっとする。水に磨 かれた遊び場のようなゴルジュもあった。しかし、玉井さんの足が痛むらしく遅れている。ここから下るかという話もしたが、進むべしと決まった。
振り返ると 黒部五郎岳が見えてきた。ナメ床の果ての35mナメ滝を越えたところで今日の区切りとし、乾いたインゼルの出合にある狭い砂地を広げて幕営した。

●8月15日
4:50 起床、6:30出発する。
眼前に目指す笠ヶ岳山頂が見えた。ゴーロはすぐナメ床になり、抜戸岳か笠ヶ岳へと分かれる二俣が現れる。双六谷下降が不可能と なった今、笠ヶ岳登頂は外せないということで、右に進む。
ナメ滝の連瀑帯をノーザイルで気持ちよく越えていくが、途中もろい岩質のところで落石を起こし、 玉井さんのヘルメットに直撃させてしまう。大事無くて本当に良かった。
最短距離でコルに出るよう右へ進路をとりながら進むと、標高2400付近で水が涸れ、ガレになる。
ハイマツをつかみながら慎重に登っていくと、頭上に登山者が見えた!一気に気分が明るくなるが、「最後まで気を抜かないように、わしは終 了点からグラウンド・フォールしたぞ」と高橋Lに釘を刺される。そして10:45コル到着!
播隆平の景色が美しい。沢靴を履き替え、玉井さんと荷物をデポして山頂に向かう。
10:26笠ヶ岳登頂。平和な杓子平から長いだけの笠新道を下り、16:22新穂高温泉到着。タクシー料金は1万円未満。

沢初心者のわたしにとって、行程のあらゆることが新鮮かつ全力の3日間でした。みなさんありがとうございました。

地形図:下之本、三俣蓮華岳、笠ヶ岳

タイム:
8月13日(晴れ時々曇り)
金木戸川林道第一ゲート6:36~第二ゲート7:39~中ノ俣川分岐8:51~取水堰堤10:00~吊り橋手前(入渓)12:55~打込谷出合1:50
8月14日(晴れ時々曇り)
打込谷出合6:35~仙ノ淵~ナメ滝2条10m11:45~35mナメ滝15:20~標高1950m付近16:00
8月15日(曇りのち小雨)
標高1950m付近6:30~稜線上9:45~笠ヶ岳山頂10:26~笠新道分岐11:55~新穂高温泉16:22

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